メタルビルの工期はどれくらい?システム建築が短工期な理由
- システム建築
工場や倉庫の新築を検討する際、建築費と並んで重要になるのが工期です。
「完成までどのくらいかかるのか」
「できるだけ早く新しい施設を稼働させたい」
このように考える法人担当者も多いのではないでしょうか。
一般的な鉄骨造の工場・倉庫では、建物の規模や内容によって、完成までに数か月から1年以上かかることがあります。
一方、システム建築の一種であるメタルビルは、設計や部材、施工工程を合理化することで、計画全体の工期を短縮しやすい建築方式です。
この記事では、工場・倉庫の一般的な工期と、メタルビルが短工期を実現しやすい理由を解説します。
工場・倉庫の新築にはどれくらいの期間がかかる?
一般的な鉄骨造の工場・倉庫では、工期の目安は次のようになります。
| 建物の規模・内容 | 着工から完成までの目安 | 計画開始から完成までの目安 |
|---|---|---|
| 小規模な鉄骨造(100~699㎡程度) | 約3~5か月 | 約6~9か月 |
| 中規模の鉄骨造(700~2,999㎡程度) | 約6~8か月 | 約10~14か月 |
| 大規模な造成や生産設備を伴う工場 | 9か月以上 | 15か月以上 |
これらはあくまで一般的な目安です。
実際の工期は、建物の用途や仕様、地盤条件、確認申請、造成工事、設備工事、資材の納期などによって変わります。
着工から完成までと、計画開始から完成までの期間は異なる
工期という言葉は、着工から完成までの現場施工期間を指す場合があります。
しかし、実際の事業計画では、建築条件の整理、設計、地盤調査、確認申請などの期間も必要です。
工場・倉庫の新築は、主に次のような流れで進みます。
- 建築計画と条件の整理 ここからが計画開始
- 測量・地盤調査
- 基本設計・実施設計
- 建築確認申請や各種許可
- 造成・地盤改良・基礎工事 ここからが着工
- 鉄骨建方
- 屋根・外壁工事
- 内装・設備・外構工事
- 完了検査・引き渡し ここまでが完成
完成希望時期が決まっている場合は、着工時期だけでなく、計画開始から完成までの全体期間で考えることが大切です。
システム建築・メタルビルが短工期を実現しやすい理由
システム建築は、鉄骨、屋根、外壁などを一定のルールに基づいて標準化し、設計から製作、施工までを合理化した建築方式です。
メタルビルもシステム建築の一つであり、工場や倉庫などの大空間建築に適しています。
メタルビルが短工期になりやすいのは、単に現場作業が早いからではありません。設計、部材製作、資材調達、施工までの流れ全体を効率化しやすいためです。
設計や部材が標準化されている
一般的な鉄骨造では、建物ごとに柱や梁、接合部などを個別に設計します。
システム建築では、部材や納まりが一定のルールに基づいて標準化されているため、構造計算や部材選定を効率的に進められます。
特に、シンプルな形状の工場・倉庫では、設計期間の短縮につながりやすくなります。
主要部材を工場で製作できる
メタルビルの柱や梁などは、あらかじめ工場で製作されます。
現場で基礎工事を進めている間に鉄骨部材を製作するなど、複数の工程を並行して進めやすいことが特徴です。
工場で加工された部材を現場で組み立てるため、現場での切断や溶接なども抑えられます。

鉄骨・屋根・外壁を一体的に計画できる
メタルビルは、鉄骨だけでなく、屋根や外壁まで含めて一体的に計画できます。
鉄骨建方から屋根・外壁工事へ移行しやすく、建物を早い段階で雨風から守れる状態にしやすいため、その後の設備工事や内装工事も進めやすくなります。
資材調達や施工計画を進めやすい
使用する部材や仕様が整理されているため、必要な資材の数量や製作時期を把握しやすいこともメリットです。
早い段階で建物の条件を決められれば、部材製作や施工計画を進めやすくなり、工程全体の効率化につながります。
ただし、短縮できる期間は建物ごとに異なるため、「何か月短縮できる」と一律に示すことはできません。
一般的な鉄骨造やプレハブ建築との工期の違い
工場・倉庫には、メタルビル以外にも一般的な鉄骨造やプレハブ建築などがあります。
どの工法が適しているかは、工期だけでなく、建物の用途や形状、設備、将来計画によって異なります。
一般的な鉄骨造は設計の自由度が高い
一般的な鉄骨造は、建物ごとに個別設計を行うため、形状や仕様の自由度が高いことが特徴です。
複雑な外観や特殊な設備に対応しやすい一方、設計や部材製作に時間がかかる場合があります。
メタルビルは、一定の設計ルールの中で建物を合理化することで、計画全体を効率化しやすい建築方式です。
プレハブ建築も短工期に向いている
プレハブ建築も、工場で部材を製作し、現場で組み立てるため、短工期に向いています。
ただし、プレハブ建築には仮設事務所や小規模施設など、さまざまな種類があります。
一方、メタルビルは、大スパンの工場や倉庫など、鉄骨造の大空間建築に適したシステム建築です。
短工期という点だけでなく、必要な広さや高さ、用途を踏まえて比較することが大切です。
工場・倉庫の工期が延びる主な原因
メタルビルを採用しても、すべての工程が短くなるわけではありません。
次のような条件がある場合は、工期が延びることがあります。
地盤改良や杭工事が必要になる
地盤が建物の重量を十分に支えられない場合は、地盤改良や杭工事が必要です。
地盤対策の方法は、建物の規模や地盤調査の結果によって異なり、追加の設計や施工期間が必要になることがあります。
確認申請や各種許可に時間がかかる
計画内容によっては、建築確認申請のほか、開発許可、農地転用、消防関係などの手続きが必要になります。
特に、大規模な造成を伴う場合や市街化調整区域での建築では、事前協議や許可に時間がかかることがあります。
設備や内装の仕様が複雑になる
工場では、生産設備、受変電設備、空調、排気設備などが必要になることがあります。
倉庫でも、冷凍・冷蔵設備、自動搬送設備、ラックなどを設置する場合は、建物本体とは別に設備工事の期間が必要です。

機械や設備、クレーンなどを設置した工場
造成・外構・インフラ工事が必要になる
建物が完成しても、駐車場、進入路、舗装、排水設備、電気や上下水道などが整わなければ、施設を稼働できない場合があります。
建物本体だけでなく、敷地全体の完成時期を確認することが重要です。
基礎工事を含めて工期短縮を図れる場合もある
地盤条件によっては、基礎工法を工夫することで、基礎工事を含めた全体工程を短縮できる場合があります。
メタルビルでは、条件によって「いちいち基礎工法」を採用できます。
いちいち基礎工法は、基礎・杭・柱を一体化することで、基礎梁や杭本数を抑え、基礎工事を合理化する工法です。
杭基礎が必要な軟弱地盤でも、条件が合えばさらなる工期短縮が期待できます。
ただし、すべての建物や敷地に適用できるわけではありません。採用の可否は、建物の規模、地盤条件、支持層の深さなどを踏まえて判断します。
詳しい仕組みや適用条件については、今後公開する個別記事でご紹介します。
短工期で建てるために計画段階で確認したいこと
短工期を実現するためには、建築方式だけでなく、計画の進め方も重要です。
まずは、いつまでに施設を稼働させたいのかを明確にし、建物の用途、面積、高さ、設備、搬出入口、車両動線などを早めに整理します。

某工場の敷地計画図
建物の間取りだけでなく、配置や道路との高さの兼ね合い、境界との離れ、避難路、庇の長さ、ブロックの高さや種類、擁壁、シャッターや門扉の幅、土間の強度などなど、決定しなければならないことが多岐にわたる
法規や使用用途、使用する人により使い勝手が変わるので、施主・設計者・工事会社とで何度も協議を重ねる必要がある
また、敷地の地盤、接道状況、高低差、上下水道、電力、法規制なども工期に影響します。
設計途中で条件が大きく変わると、構造や基礎の見直しが必要になることがあります。
工場・倉庫の新築を検討し始めた段階で施工会社へ相談し、建物と土地の条件を早めに確認することが、工期短縮につながります。
短工期だけで建築方式を決めないことも大切
メタルビルは、設計や部材の標準化、工場製作、施工工程の合理化によって、短工期を実現しやすい建築方式です。
一方で、建築方式を選ぶ際は、工期だけでなく、用途、必要な設備、使いやすさ、将来的な増築やレイアウト変更なども考える必要があります。
工場・倉庫の新築では、次の点を総合的に比較することが大切です。
- 施設を稼働したい時期
- 必要な広さや高さ
- 生産設備や保管設備
- 地盤や敷地の条件
- 将来的な増築や用途変更
- 建物本体以外に必要な工事
- 計画開始から完成までの全体工程
鈴木鉄工建設では、メタルビルによる工場・倉庫の建築に対応しています。
メタルビルの特徴については、メタルビル紹介ページをご覧ください。
自社の計画にメタルビルが適しているか、完成までにどの程度の期間が必要か確認したい方は、お問い合わせページよりご相談ください。
